Googleで「ゲーミングキーボード」を検索すると「おすすめ18選」や「おすすめ25選」などの検索結果が出てきますが、18選や25選って、まったく選別できないですよね。もうそれ、単にアフィリエイトリンクしたいだけじゃん。ってことで、ゲーミングキーボードに懐疑的な私が、その理由を解説するとともに、おすすめのキーボードをご紹介します。
ゲーミングキーボードとは
ゲーミングキーボードの定義とは一体なんでしょうか?私は、自作PC歴はそこそこ長いと自負すしているものの、その定義はさっぱり分からないのでCopilot君に聞いてみました。回答は次の通りです。
ゲーミングキーボードは、特にゲーマー向けに設計されたキーボードです。通常のキーボードと比べて、次のような特徴があります。
- 高耐久性:
多くのゲーミングキーボードは、長時間の使用に耐えられるように作られており、耐久性が高いスイッチを採用しています。- 高速応答
キー入力の反応速度が非常に速く、プレイヤーの動きが遅延なく反映されます。- プログラマブルキー
ゲーマーがカスタマイズできるキーを備え、マクロや特定の操作を割り当てることができます。- バックライト
多くのゲーミングキーボードは、見た目を向上させるだけでなく、暗い場所でも操作しやすいようにバックライトを搭載しています。- エルゴノミクス設計
長時間のプレイでも疲れにくいよう、手首のサポートやキー配置が工夫されています。
ちなみに私は「ビカビカ光る」ことこそが、ゲーミングキーボードの唯一の定義ではないかと思っています。これはCopilotの回答の4に該当しますね。
ゲーミングキーボードの定義への反論
Cpilotくんが回答してくれたゲーミングキーボードの定義に対して、ひとつずつ反論していきます。
高耐久性
多くのゲーミングキーボードでは、キーが押されたことを判断する部品に、メカニカルスイッチを採用しています。メカニカルスイッチは、電気的な接点が接触することで電気の流れを検知します。要は家の照明のスイッチと同じです。
メカニカルスイッチのデメリットとして、電気接点が汚れたり酸化したりすると接触が悪くなり、キーが反応しなくなってしまう点があります。つまり、メカニカルキーを採用するキーボードは接点不良が起こるリスクがあります。またゲーミングキーボードはメカニカルキーの採用によって、一般的なキーボードと比較して部品点数が多いです。部品点数が多いということは、故障のリスクも高くなります。この2点だけを考慮しても、ゲーミングキーボードは耐久性が高いとは言えないと思います。
ちなみに、メカニカルスイッチに発生する接点不良のリスクを低減した、光学式(オプティカル)スイッチというものがあります。オプティカルスイッチは光センサーでキーの押し込みを検知するものなので、接点不良は発生しません。光学式スイッチを採用したキーボードであれば、高耐久と呼べるかもしれませんね。
高速反応
同じくメカニカルスイッチは、接点の設計によりキーが反応する深さ(アクチュエーションポイント)を変えることが出来ます。一般的にはキーを2.0mm程度押したところで反応する物が多いです。
ラピッドトリガーと呼ばれるスイッチの場合、アクチュエーションポイントを任意に変更できます。極端な値(0.1mmとか)に設定すると、キーに触れただけで反応するくらいの感度になります。アクチュエーションポイントが浅いということは、キーが反応するまでの物理的な長さが見近くなるので、反応時間も短くなります。競技ゲームの世界では、この反応速度がとても重要な要因となります。敵よりも数ミリ秒でも早く反応できることが、大きなメリットになるわけです。
しかし、反応が速いのは良いことのように思いますが、ミスタイプのリスクも高くなります。そもそも、アクチュエーションポイントが2.0mmから1.0mmに変わったところで、短縮できる時間はせいぜい数ミリ秒程度でしょう。先述の通り1/1000秒を争う競技シーンであれば有効かもしれませんが、私たち素人ではその恩恵はあまり無いといえます。数ミリ秒を削るためにツールに頼るよりも、己の技術を磨いたり、ゲームにおけるメンタルを鍛えたりする方が数倍強くなれるはずです。
プログラマブルキー
ゲーム内で頻繁に行うキー操作を、特定のキーに割り当てる機能をマクロといいます。ゲーミングキーボードに添付されている殆どのドライバーやソフトウェアでは、マクロを組むことが可能です。
しかし、キーボードマクロソフトは世の中に沢山出回っていますので(しかもフリーウェア)、普通のキーボードでもマクロを組むことが出来ます。つまりプログラマブルキーは、ゲーミングキーボードでなくても実現可能です。また、キーボードマクロはゲームによってはチート扱いになる場合もあるので、プログラマブルキーが利用できることが、ゲームのメリットになるワケではありません。
バックライト
これこそゲーミングキーボードの神髄です。みなさん、七色に光るキーボードに憧れはないでしょうか?写真で見たりPCショップの展示を見るとすごく綺麗ですが、キー入力中はほぼ画面を見ているのでキーボードは目に入らず、光る必要性がまったくありません。実際に使ってみると分かりますが、モニターを注視している視界の下側で常にピカピカ光っているのが、ものすごく鬱陶しいです。
そしてフルカラーLEDが意外と壊れます。そりゃそうです。百数十個のLEDが取り付けられていれば、そのうちの数個は壊れますよ。後で登場するおすすめランキング5位のキーボードは、6個のキーが異常点灯しています。正直、バックライトは無くて良いですし、あっても白色だけで十分です。
エルゴノミクス設計
キーの配置は規格で決まっていますし、サイズやキーピッチはどのメーカーでも基本的に同じです。つまり、非ゲーミングとゲーミングでキーデザインの違いは全くありません。エルゴノミクス設計のキーボードは存在しますが、主にプログラマーやビジネス向けの製品です。エルゴノミクス設計のキーボードは、手をホームポジションにおいて使うことを想定しています。これに対してゲームは[WASD]キーを基本に操作しますので、まったくエルゴノミクス設計が生きるものではありません。
以上の通り、ゲーミングキーボードの定義はあやふやで、必要性すらないと言い切れます。アホみたいに高いキーボードを売るためのメーカー側の戦略でしかなく、合理的な理由はありません。言い換えると、ゲーミングキーボードを買うのに合理的な理由は不要とも言えます。欲しけりゃ買えば良い、ただそれだけです。
ピカピカ光るキーボードがカッコいいという憧れ。超早い反応速度のキーボードを持っているという所有欲。あの有名ゲーマーと同じ機材・・・などなど理由はなんでも良いワケです。趣味で使う道具に「欲しい」以外の購入理由は無粋ですよね。
おすすめのキーボード
私が実際に使用したキーボードを5種類を主観で評価し、順位をつけてみました。といっても、おすすめなのは1位だけです。
【1位】サンワサプライ 400-SKB057R(赤軸)
メカニカルキーボードでロープロファイルというレアなキーボードです。その中で更にレアなテンキーレス仕様です。メカニカル+ロープロのキーボードは、サンワサプライの他にロジクールをはじめ数社くらいしかリリースしてないハズです。
その少ない選択肢の中でも、400-SKB057Rはメカニカルキーとしてはかなり安価(9,000円くらい)なのが魅力です。安いにも関わらず、作りは堅牢であり、コスパはブッチギリのNo.1です。
仕事で文章を作成することが多いですし使用時間も長いので、キーストロークが浅く、打鍵感がありつつも、軽いタッチでスコスコ打てる方が、指が楽で良いです。こんな希望を叶える[ロープロ・メカニカル・赤軸・テンキーレス]仕様のキーボードです。
バックライトは白色のみなので落ち着いた印象です。地味にNキーロールオーバー対応なので、ゲームで使っても何の不満もありません。ワイヤレス仕様があれば更に良いのですが、これを満たすのは値段高すぎな製品しかないので諦めます。
2025/2/15現在、同キーボードは終売していて、リピ買い出来なくなってしまいました。無念。
【2位】ロジクール G713TKL(リニア)
こちらは主に子供1号が使っています。とても打ちやすいキーボードです。1位の400-SKB057Rとほぼ同じ感覚で使えますが、キーストロークが標準的(4mm)なのが私の好みではないので2位です。また、400-SKB057R比較で値段が倍なので魅力も半減です。
子供1号はもともと、5位のsteelseries APEX 7を使っていましたが、「青軸はカチカチ音が五月蠅くてウザー」といって「リニア(=赤軸)」に変えました。やっぱり赤軸が良いです。
【3位】ロジクール G913 LIGHTSPEED(リニア)
こちらは主に子供2号が使っています。ロープロファイルのリニアキーなので私の好みなのですが、左端にあるG1~G5キーがものすごく邪魔です。このキーがなければ2位確定でした。
また、マウスが接続できるようにUSBハブ(というかPCとUSB2本で接続するので、実質ただのUSB延長コード)が内蔵されているためか、ケーブルがめちゃくちゃ太くて硬く、テーブル上での取り回しが悪いです。別に大電力を流すわけでもなく、細いシナシナのケーブルで良いのに。。。あと無駄に値段が高いのもNGポイントです。
【4位】XPG SUMMONER(青軸)
こちらは主に妻が使っています。フルストロークタイプの青軸キーボードです。シンプルで良いキーボードだと思いますが、ドライバがいまいちです。バックライトの色をカスタマイズしてほしいとの妻の要望を受けて、ドライバを入れてみましたが、キーの挙動がおかしくなる不具合がありました。
ソフトウェアのダメさを除けば、まぁ良いキーボードかなと。たぶん今は終売になっていると思います。
【5位】steelseries APEX 7 TKL(青軸)
こちらは以前に子供1号が使っていました。1年間の保証が切れたころにLEDの点灯不良(6か所)やキーの反応不良(3か所)が発生しました。値段が高いだけで、耐久性や品質はイマイチかなーという印象でした。キーボードの左上に有機ELのディスプレイがあるのですが、有用な使い方がわからん無駄機能でした。ケーブル太すぎ。
【番外編】ロジクール G913 TKL LIGHTSPEED
3位で紹介したG913のテンキーレスモデルです。横幅を縮小するためか、左端のファンクションキーが廃止され、更にワイヤレス仕様に変更されています。400-SKB057Rが終売となった現在、メカニカル+ロープロ+テンキーレス仕様のキーボードの中で、G913 TKLは最強の一択です。一方、2万円弱と高価な点がデメリットです。私は、400-SKB057Rが故障したらG913 TKLに更新すると思います。
【番外編】ロジクール G515 RAPID TKL
2025年10月に発売予定の新製品です。ロープロファイルキーボードで初めてラピッドトリガーを採用した意欲作です。アクチュエーションポイント(感度)を自由に設定できます。またデザインに無駄がなく、意味不明なファンクションキーも無いため、とてもシンプルな見た目に好感が持てます。私は仕事での使用が95%くらいなので、ラピッドトリガーにあまりメリットを感じていませんが、アクチュエーションポイントを好みに変更できる機能は、一度体感してみたいですね。
まとめ
ながながと書いて来ましたが、実はこの記事は、5位のsteelseries APEX 7 TKLを使って、キーの反応不良にイライラしつつ、家族からは「めっちゃカチカチ五月蠅いやん」と言われながら書きました。青軸キーボードで文章を書いたらアカン。普段、1位のサンワサプライ 400-SKB057Rを使っている時は、特に家族から苦情が出ることもないので大きな違いですね。
ちなみにロープロ・赤軸・テンキーレス・無線を満たした、VK520LLという製品がエレコムからリリースされているようです。こちらもお値段高めの様なのでちょっと手が出にくいですが、機会があれば評価してみたいですね。ただ75%サイズってどうなんでしょうね・・・ビジネス用途では少し使い辛いかも。
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