格安簡易水冷 CPUクーラー Vetroo LURKER V240のレビュー

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 2021年12月にCore i5-10400FとGeforce RTX3060でゲーミングPCを作成しました。しかし冷却性能に難があり、PC内部に溜まった熱が原因で性能が低下し、ゲーム画面がカクつく事象が発生していました。この問題を解決するために、Vetrooというメーカーの240mmタイプの簡易水冷CPUクーラー「LURKER V240」を導入したのでレビューします。

排気ファン1個ではギリギリ無理

 先の記事で書いた通り、2021年12月にCore i5-10400FとGeforce RTX 3060でゲーミングPCを製作しました。このPCを製作した当初は、Geforce GTX1050Tiを使用していたので、インテル純正のCPUファンと、ケースに付属していたファン1個のみで運用できていました。インテル純正CPUファンとケースファン1個の仕様でも、動画鑑賞やブラウジングなど、CPU負荷が低い時には何も問題はが無かったのです。

 しかし、GPUをGeforce RTX 3060に替えたところ、ゲームプレイ中に画面がカクつく事象が発生するようになりました。そこでCPU温度を確認すると、ゲーム中は概ね80℃を超えていることがわかりました。また、PC側面のガラスパネルを手で触ってみると、思った以上に熱くなっている状態でした。外から触って温度を感じるくらいなので、PC筐体内の空気はかなり高温になっていることが想像出来ました。

 そこで、ケースファンの動作音と回転数をBIOSで設定し直し、今までよりも低い温度で回転数が上がるようにしました。この対策によりCPU温度が80℃を超える状況は発生しにくくなり、ゲーム中の画面のカクつきも改善することが出来ました。しかし依然としてCPU温度は高いままなので、何らかの対策が必要と感じました。

簡易水冷の導入

 先述の通りケースファンの回転数を上げると、ケース内部に溜まった熱をたくさん追い出すことが出来て、CPU温度の上昇を防ぐ効果があることが分かりました。しばらくは騙し騙し使用していましたが、ファンの回転数を上げると、動作音が大きくなることが新たな課題となりました。

 この解決策として、空気の流量は確保しつつ動作音を小さく抑える必要があります。ファンの数を増すと、空気の流量は減らさず、動作音を小さくすることが出来ますので、ケースファンを増設することを考えました。

 このほかに、CPUクーラーの冷却効率を良くすることも対策になると思いました。Intel純正のCPUクーラーは、ヒートシンクの上からエアを送る構造のため、ヒートシンクを通った熱い空気を、もう一度吸い込んでしまう事があります。これを防ぐためには、CPUクーラーに外気を吸わせつつ、熱い空気を筐体外に排出するように、PC内部の空気の流れを意識したクーラーに変える必要があります。

 やはりケースファンの追加は必須だと考えて、サードパーティー製の空冷CPUファンと合わせて導入しようと考えました。しかし、CPUクーラーとケースファンを買うとコストと、安価な簡易水冷キットを買うコストが殆ど変わらないことが分かりました。簡易水冷であれば、構成上CPUクーラーとケースファンがセットになっているようなものなので、簡易水冷を導入することにしました。

激安簡易水冷 Vetroo LURKER V240

 今回購入したのはVetrooというメーカーのLURKER V240という簡易水冷ユニットです。240mmサイズのラジエターに、120mmのファンが2基ついています。このファンはRGB制御が出来るため、ゲーミングPCに在りがちなビカビカ光るPCを作ることが出来ます。また、CPUに接触する水枕部分にもLEDライトが仕込んであります。

 Vetroo LURKER V240はAmazonで販売していて、値段は8,999円です。240mmクラスの簡易水冷では最廉価(2022年4月現在)です。カラーバリエーションはブラックとホワイトで、私は白色のケースを使用しているのでホワイトを選択しました。この仲間に360mmクラスのものもあります。


取り付けはいたって簡単

 2000年代前半に水冷が流行ったのですが、その頃に私も水冷キットを買って組みました。当時のキットは精度が悪かったためか水漏れや水の蒸発等があり、毎週何らかのメンテをする必要があり、人柱的なパーツでした。しかし今の簡易水冷キットはメンテナンス不要かつ、組み込みも簡単でした。

 Intel純正CPUファンを外します。CPUファンを外すとグリスが残るのできれいに拭き取ります。ちなみに私は、接点復活剤でグリスを溶かして拭き取り、残った接点復活剤は無水アルコールで拭き取るようにしています。この方法は、パソコンの修理業務をしていた頃に編み出しました。

次にマザーボードの裏にV240に付属しているバックプレートを貼り付けます。バックプレートには厚みのある両面テープが貼ってあるので、剥離紙を剝がすのを忘れずに。ちなみにこのプレートは第12世代CPUで使用するLGA1700にも対応しています。

CPUグリスを塗ります。高級CPUグリス等もありますが、数CCで何千円もするグリスとかアホらしいので、私はv240に付属していたごく普通のCPUグリスを使用しました。塗り広げるためのヘラもついてます。
グリスの塗り方はいろいろありますが、私は普段塗り広げない派です。CPUの真ん中に米粒くらいのグリスを置けば、クーラーの圧着力とCPUの熱で、勝手に丁度良い塩梅に広がります。今回はヘラが付いていたのでせっかくなので塗り広げました。ちなみにXeonサーバーを組み立てる仕事をしていた頃は塗り広げていましたね。

CPUに接触する部分(水枕といいます)にLGA1151用の治具を取り付けてフィルムを剥がします。これを剥がし忘れると、たぶんCPUが冷えないです。

ネジを締めて水枕は取付完了です。水枕から2本のケーブルが出ていますが、1本はARGBライティング用のケーブル、もう1本はポンプへの給電用ケーブルです。このケーブルは回転数出力がある3pinコネクターなので、ポンプはDC回転数制御の様です。

あとはラジエターにファンを取り付け、そのラジエターをケースに取り付けます。ラジエターを取り付ける場所はケースの天面か前面が多いようです。前面の場合はラジエターの排熱をPC筐体内に取り込んでしまうため私はイマイチと思っています。そのため迷わず天面に取り付けました。

完成形はこんな感じです。

CPUの温度変化

 Vetroo LURKER V240の取り付けが完了して、さっそくCPU温度がどの程度下がるか検証してみました。これまではCPU単体で負荷テストをしても大して問題なく、ゲームなどGPUを使うとGPUの熱と相まって排熱が追い付かなることが問題でした。そのため3DMarkのベンチマーク中と、Fortniteプレイ中の温度変化を確認しました。

 結果は、これまでは同様の使用シーンでCPU温度が80℃を超えていましたが、Vetroo LURKER V240を導入するとCPU温度は65℃程度までで落ち着くことを確認しました。もう少し冷えると考えていましたが、原因はおそらく吸気ファン不足でしょう。

 現状の構成では背面ファン1基、簡易水冷ファン2基のため、両方とも排気ファンとして稼働しています。前面に吸気ファンを追加することで、筐体内の空気を流すようにしてやれば、もうちょい冷えると思います。

まとめ

 ケースファン1基+Intel純正CPUファン1基では排熱が追い付かなかったのが、簡易水冷に変更することで問題を改善することが出来ました。次回はフロントファンを追加した記事をアップ予定です。


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