4年ほど使用しているナショナルのシェーバー(リニアスムーサー)が故障したので自力修理しました。修理と言っても、充電電池を交換しただけです(下に交換方法も書いてます)。簡単なので挑戦したい人向けにドキュメントを残しておきます。
愛用シェーバーの「充電異常」は自分で直せます
長年愛用してきたパナソニックの電気シェーバー(旧ナショナル・ラムダッシュ)が、ある日突然動かなくなり、ACアダプタを挿すと充電ランプが高速で赤点滅するという症状に悩まされていませんか?
これは多くの場合、内蔵されているリチウムイオンバッテリーの寿命が原因です。
メーカーに修理を依頼すると「買い替えを推奨される」「費用が高い」といった理由で諦めてしまう方が多いですが、実は交換用バッテリーを約600円〜1,000円程度で購入し、自分で簡単に交換・修理が可能です。
この記事では、旧型機種(ES8961など)から現行機種に近いモデルまで広く適用できる、電気シェーバーのバッテリー交換手順を、最新の部品情報を含めて徹底解説します。
【重要】DIY修理に関するご注意
以下の作業は、メーカー保証の対象外となる行為です。また、分解・再組み立ての過程で本体の防水性能が低下するリスクがあります。作業はすべて自己責任で実施してください。
なぜ電気シェーバーは突然動かなくなるのか?(不具合の症状と原因)
多くのラムダッシュユーザーが経験する「突然死」や「充電異常」の症状は以下の通りです。
1. 不具合の症状
- 使用中に突然電源が入らなくなる。
- ACアダプタを挿すと充電ランプ(赤色)が高速で点滅し、充電が開始されない。
- 充電コードを挿しても、本体が動作しない。
私が使用しているラムダッシュは、前日までいつもと変わらず順調に使用できていましたが、ある日全く動かなくなってしましました。電池切れかと思いACアダプタを挿すと充電ランプ(赤色)が高速点滅して充電できない状態になりました。充電ランプ(赤色)の高速点滅は、充電異常を示しているのだと思います。
また、本来は充電が切れていてもACアダプタを挿す動作するはずですが、まったく動作しなくなりました。どうやら内蔵の充電池が充電出来ない状態になると、ACアダプタを挿しても動作できないようです。
2. 主な原因:リチウムイオンバッテリーの突然死
最近電池の持ちが悪くなってきてたので、リチウムイオンバッテリが死んだのだろうと予測したのですが、前日まで使えていたのに急に動かなくなり、突然死っぽい終わり方でした。経験上、ニッカドバッテリーだと徐々に使えなくなっていくイメージがありますが、リチウムイオンバッテリは突然途切れたように寿命が来てしまうようです。
シェーバー内部の制御基板は、バッテリーが異常な状態になると充電をストップさせ、安全のため本体の動作も停止させます。この「異常な状態」が、充電ランプの高速点滅として現れます。つまり、新しいバッテリーに交換することで、この問題はほぼ確実に解決します。
ネットで電気シェーバーの修理について調べてみると、交換用のリチウムイオンバッテリの価格はたかだか千円前後で売っていることが分かりました。しかし、お店に修理依頼すると「新しいのを買ったほうが安い」と一蹴されるのがオチみたいです。とはいえ電池を換えれば動くのに捨てるのは納得いかないですよね。そんな訳で、「新しいシェーバーを買え!」というヨメを押しのけて、ケーズデンキで修理部品を注文してきました。
【準備】交換用バッテリーの品番と購入方法(2025年最新情報)
電気シェーバーのDIY修理で最も重要なのが、交換部品の特定です。
1. 必要な部品(現在の品番)
ナショナル シェーバーES8961(リニアスムーサー)に使えるリチウムイオン電池です。この記事を作成した2010年当時、品番はESLA50L2507Nでしたが、現在はESLV9XL2507に統合されています。
この代替品番は、旧型機(ES-LA50、ES8961など)だけでなく、近年のラムダッシュの多機種(ES-LA90系、ES-GA21、ES8046など)にも幅広く適合する汎用性の高いバッテリーです。

必要な工具
- 精密ドライバー(小型のネジ用)
- 電工ドライバー(柄の太い+1番がおすすめ):内部のネジは固く締まっているため、柄が太い方が力が入りやすく作業効率が上がります。
- ピンセットまたはラジオペンチ(コネクタや小さな留め具の取り外し用)
- 清掃用品(歯ブラシ、漂白剤、接点復活剤など)
- (推奨)シリコン系グリス:防水パッキンに塗布することで、防水性能の回復を助けます。
交換手順
ここでは、ES8961(リニアスムーサー)を例に交換手順を解説します。基本的な分解構造は、多くのラムダッシュで共通しています。
ステップ1:外装カバーの取り外し
1.本体底面にあるネジ(通常1箇所)を精密ドライバーで外します
2.ネジを外すと紺色の外装カバーが外れます

ステップ2:基板ケースのネジ・留め具の取り外し
1.基板を覆っているプラスチックケースを固定している4本のネジを外します。

2.写真では分りにくいですが、ケースの側面にあるステンレス製の留め具(左右2箇所)をピンセットなどで外します。この留め具を外すと、基板ケースが完全にフリーになります。

ステップ3:バッテリーの交換
1.基板ケースを取り外し、内蔵されている古いバッテリーを取り出します。

2.新しいバッテリーに交換します。この際、バッテリーの膨らんでいる方(+極側)が、ACアダプタのコネクタ方向に向くように注意して装着してください(極性を間違えると故障の原因になります)。
3.新しい電池を装着したら、この時点で一度ACアダプタを接続し、正常に動作・充電するか確認することをおすすめします。
ステップ4:再組み立てと防水対策
1.取り外しと逆の手順で、基板ケース、4本のネジ、留め具、外装カバーを取り付けます。
2.最重要】防水パッキンへの注意
組み立ての際、外装カバー内側にある防水パッキン(ゴムリング)に髪の毛やホコリなどの異物を絶対に挟まないように細心の注意を払ってください。小さな異物一つで防水性能は大きく損なわれます。
また、パッキン部分に樹脂やゴムを侵さないシリコン系またはセラミック系のグリスを薄く塗布し、防水性を高める対策を施すと安心です。
交換ついでに!シェーバー内部を徹底清掃する
分解し始めるとすぐ分かると思いますが、外側のカバーや首振り機構の部分にヘドロ化した汚が付着していて凄いカビ臭を放ちます。せっかく分解したのですから、この機会に内部を徹底的に清掃し、シェーバーを完全にリフレッシュさせましょう。
1. ヘドロ化した汚れの清掃
外側カバーや首振り機構の内部には、水と皮脂、剃ったヒゲが混ざり合ったヘドロ状の汚れが付着しています。
- 外装カバーは、漂白剤を薄めた液にしばらく漬け置きすると汚れが落ちやすくなります。
- 基板を濡らさないよう注意し、カビキラーやアルコール、歯ブラシを使って、付着した汚れやカビをきれいに除去してください。
2. ACアダプタ接点のサビ取り
充電端子のコネクタ部分に、青緑色のサビ(緑青)が浮いている場合があります。
細かい番手の耐水ペーパーで軽く磨き、その後接点復活剤を少量塗布して磨き上げることで、充電効率が改善し、より快適な充電が可能になります。
【重要】修理か買い替えか迷った時の判断基準(結論)
電池交換によって愛用のシェーバーは復活しますが、「製品寿命」という観点から、修理と買い替えを比較検討する際の基準をまとめました。
項目 | DIY電池交換を推奨 | 買い替えを検討推奨 |
本体の製造年 | 5年〜8年程度 | 10年以上経過している |
刃の状態 | 内刃・外刃を定期的に交換している | 内刃・外刃がすでに摩耗している、または何度も交換時期を過ぎている |
コスト | 安く済ませたい(予算1,000円未満) | 費用よりも時間、安心、最新機能を重視する |
その他の機能 | 刃以外の動作(例:音波振動)に不満がない | 最新のAI制御・5枚刃以上の深剃り機能、自動洗浄充電器が欲しい |
電池交換は非常にコストパフォーマンスの高い修理方法ですが、10年以上使用している場合や、最新のラムダッシュの性能(リニアモーター駆動の進化、5枚刃・6枚刃システム、自動洗浄器)に魅力を感じる場合は、製品寿命として買い替えも良い選択肢です。
コメント
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原則的にはメーカー修理となっていますが、個人責任で皆さん色々とされているようです。{%拍手webry%}
こちらの記事を参考にES8046の電池を入れ替えることができました! ありがとうございました。
浜塩ラーメンさん
コメントいただきありがとうございます。お役に立ったようで嬉しいです。