富士通のシンクライアントパソコン Futro MU937を改造してみる

パソコン

ちょっと思うところがあり、中古のノートパソコンを探していました。普通のパソコンは使えそうなスペックだと中古でもソコソコ値段がしますし、値段が安いものはゴミの様なスペックで使い物になりません。しかし企業から廃棄されるシンクライアントパソコンなら、ソコソコのスペックのものがお安く入手可能です。今回、富士通のシンクライアントパソコン Futro MU937を購入して、メモリ増設とSSDの換装を行ったのでレポートします。

ノートパソコンを入手したい

私は家族4人でマインクラフトで遊ぶときに、自宅内LAN上にマイクラサーバーを立てて遊んでいます。しかしマイクラサーバーを自PCで動かしたくはないので、マイクラサーバー専用のマシンが欲しいと考えていました。PCやモニターの置き場所はないので、必然的にノートパソコンが欲しくなります。そこで中古機を探してみたのですが、使えるスペックのノートパソコンは値段がそこそこ高く、逆に安いものはスペックがダメです。

ほしいPCのベースラインとして、私が会社から貸与を受けている富士通Futro MU937がサイズ感やスペックがちょうど良いなと考えていました。Futro MU937はシンクライアントパソコンなのですが、シンクライアントパソコンは世間的にキワモノ的扱いなので、フリマサイト等で嫌厭されるらしく、かなり安価で流通しています。ということでフリマサイトでMU937を探して6,000円で購入しました。

まずはOSのリカバリーから

Futro MU937のOSは、Windows 10 Enterprise 2016 LTSBがですが(型式によって異なります)、私がフリマサイトで購入したMU937はWindows 10 Homeがインストールされていました。出品者が一般利用者向けにインストールしたものだと思いますが、よく知らない人間の手が入ったOSは使いたくないですし、どうせグレーなライセンスを使っているでしょうから、速攻で初期化します。

初期化に使用したのは、Futro MU937を工場出荷状態に戻すためのリカバリディスクです。購入したMU937に添付されていたものではありませんが、私が何故か持っていた同型機のリカバリディスクを使用しました。Win10 2016 LTSCは、Win10 ProやHomeよりもサポート期間よりも長いので、長く使い続けられます。

サポート期限
Windows 10 Enterprise 2016 LTSB 2026 年 10 月 13 日
Windows 10 Home and Pro 2025年10月14日

ちなみに、Windows 11はCPUが動作条件を満たさないため、動作しません。裏技的にインストールすることは可能ですが、そこまでしてわざわざWin11を入れる意味はないと思います。Win10のサポートが切れたら、Linux系OSに入れ替えて遊べばよいと考えています。

OSを工場出荷状態に戻したあと、不要なアプリケーションを削除しました。Citrix ReceiverやVMware Horizonなど家では使いませんし、富士通のユーティリティ系アプリも不要なものは削除しました。あとはWindows Updateやドライバ類のアップデートを行って、OSは完成しました。

メモリの増設とSSDの換装

MU937のスペックは次の通りです。

CPU:Intel Celeron 3865U(1.80GHz)
メモリ:4GB
ストレージ:32GB SSD
ディスプレイ:13.3インチ フルHD

メモリの増設

このままの状態ではメモリとストレージが少なすぎるので、スペックアップします。MU937のメモリの最大搭載量は、メーカーカタログ上では標準4GB+追加4GBの合計8GBと記載されています。しかし、実際には16GBのSODIMMを載せても認識するらしく、その場合20GBが最大搭載量になります。私の場合は8GBを搭載して、合計12GBの仕様にしました。使用したのはDDR4-2133のSODIMMです。

SSDの換装

標準状態では32GBのSSDが搭載されています。標準搭載しているSSDは32GBで容量が少なすぎるうえ、動作速度も遅いです。シンクライアントパソコンはストレージに負荷をかけることが無いので、このような低スペックなSSDでも問題ないのですが、普通のパソコンの代わりとして使うことは難しいです。そこでSSDを換装します。

MU937に搭載されているSSDはSATA-3で、M.2 2242の仕様です。巷にあふれているNVMe 2280は使えないので注意が必要です。SATA-3のSSDはNVMeと比較すると割高です。そもそもM.2のSATA SSDは流通量が少ないので、割高なのは仕方ないと思います。

条件にあうSSDをAmazonで探すと、たいてい謎の中華メーカー製ばかりが見つかるはずです。どうせ謎の中華メーカーの製品を買うのであれば、Aliexpressの方が安いですし、出品されている種類も多いです。届くまで時間は掛かりますが、急がないので問題ありません。私はKINGSpecというメーカーの512GBのSSDを購入しました。ちなみにAliexpressではKINGSpecの直営店が出品していますので、ちょっとだけ安心です。

Amazonだとこれ↓

こんな感じで既存のSSDと換装します。マザーボード上にはSSDとは別にもうひとつ空いているm.2スロットがありますが、ストレージには使えないようです。そのため、もともとSSDが刺さっているスロットを使って換装するしかありません。

SSD換装後のベンチマーク結果

せっかくなので、SSD換装前後でベンチマークを取得してみました。
先に標準(換装前)のSSDの時のCrystalDiskMarkの結果を掲載します。SATA-3は規格上の最大転送速度は600MB/s程度といわれていますが、MU937の標準のSSDは、シーケンシャルリードが276MB/sとなっていて、その他の項目も遅いです。この結果から、特にパソコンの起動時間や、アプリケーションの起動時間が長くなる傾向が考えられます。シンクライアントパソコンとしての利用であれば、特に問題ないのですが、ノートパソコンの代替としてはやはり不満ですよね。

次に換装後の結果を掲載します。
シーケンシャルリードに関しては、SATA-3の限界近くまで速度が出ていることがわかります。ランダム性能もかなり改善しました。実際にPCを使用した体感としても、かなり高速になったことが実感できました。普段使いだとパソコンの起動速度が劇的に早くなることと、Windows Update適用時の処理が早くなるので、満足な結果が得られます。

MU937まとめ

今回、主にマイクラサーバー機として利用しようと思い、MU937を買ってカスタマイズしてみました。しかしマイクラサーバーの移行が面倒くさく、実際にはサーバー機としての出番は殆どありません。カスタマイズした後は眠っている状態です。

メモリ増設とSSDの換装をしてみましたものの、CPUがSkylake世代の2コアのため、多少動作がもたつくことがあります。しかしWebの散策や、動画を見る程度であれば十分に使えるので、外に持ち出して使うのであれば、MU937の薄型機としてのメリットを享受できると思います。(わざわざ外に出てインターネット見る意味が分からないでけど)

今回はMU937を買ってみましたが、後継のFutro U9311Mの方が、USB-Cが使えたり、液晶ディスプレイが丈夫だったりするのでおすすめです。仕事で両方のシンクライアントPCを使用していますが、U9311Mの方が優秀だと思います。

今回カスタマイズに使用したパーツ


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