Lexar NVMe SSD NM790とNM710のレビュー

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CPUをCore i5 10400FからRyzen7 5800Xに変更した際、それまで使用していた、PCIe Gen3×4のSSDを使いまわしました。Ryzen7 5800Xは、PCIe Gen4×3をサポートしていますので、今回PCI Gen4×4に対応した Lexar NM790に換装しました。SSDをPCIe Gen3×4からPCIe Gen4×4に換装することで、どの程度性能が上がるかを検証します。

PCIe Gen3とGen4の違いは?

PCIeとはPCI-Expressの略で、PCI-Expressの正式名称は Peripheral Component Interconnect-Expressといいます。PCIeはグラフィックボードやキャプチャボード、サウンドボードなどの機器を接続するための規格で、その対象にはSSDも含まれています。

PCIeには複数のバージョンがあり、それぞれのバージョンが策定された時期の技術を反映して、性能(データ転送速度)が変わります。今回比較の対象としているPCIe Gen3およびGen4のデータ転送速度は次の通りです。

 PCIe Gen3 (PCI-Express 3.0):片方向約1GB/s / 双方向約2GB/s
 PCIe Gen4 (PCI-Express 4.0):片方向約2GB/s / 双方向約4GB/s

NVMe SSDを装着するM.2スロットは、伝送路を4本束ねて使用しますので、伝送速度は上記の値の4倍となります。

 PCIe Gen3×4:片方向約4GB/s(4,000MB/s)
 PCIe Gen4×4:片方向約8GB/s(8,000MB/s)

テスト機の構成

今回テストするPCの構成は次の通りです。テスト機というか私のメインマシンなんですけどね。

CPU:AMD Ryzen7 5800X
メモリ:DDR4 3200 32GB(8GB×4枚)
MB:B550M AORUS PRO

これまで搭載していたSSDはCrucial P5(CT500P5SSD8)でした。このSSDのスペックは次の通りです。PCIe Gen3×4世代の中では、まずます高スペックのSSDでした。

シーケンシャルリード:3,400MB/s
シーケンシャルライト:3,000MB/s

ちなみに現在は、PCIe Gen4×4規格のP5 Plusにリニューアルされています。

Lexar NM790のスペック

今まで使用していたCrucial P5の容量は500GBだったのですが、若干枯渇気味になってきたので、換装を考えていました。せっかく換装するなら、PCIe Gen4×4の限界を体感したいと考えて、LexarのSSDの中でも最上位のNM790を選択しました。スペックは次の通りです。

シーケンシャルリード:7,400MB/s
シーケンシャルライト:6,500MB/s

Lexarは1996年に米国で創業した、フラッシュメモリデバイスを扱う企業でした。私が家電屋さんでバイトしていた90年代後半~2000年代前半は「Lexarのコンパクトフラッシュを買っときゃ安心」とか言うてました。その後Lexarは、2006年にMicronが買収して、Micron傘下のブランドになっていました。そして2017年にMicronは、Lexarブランドを中国のメモリデバイス企業であるLongsysに売却しました。つまり、今回購入したSSDは昔懐かしのLexarブランドですが、中身はよくある中華SSDなワケです。

2023年現在、米国による対中貿易規制により、中国で製造されたiPhone向けNANDチップは出荷することが出来ず在庫が余り倒してしまい、その余ったNANDチップの消費先として、NVMe SSDに流れ込んだといわれています。そうしてNVMe SSDが供給過多となり、中華系NVMe SSDの価格暴落を招いたといわれています。
2023年8月現在のLexar NM790のAmazonでの価格は10,980円です。私が買った7月上旬の価格は8,000円ちょっとだったので、暴落した後、少し値上がりしている傾向の様ですね。

Lexar NM790のベンチマーク

Crystal Disk Mark 8の64bit版を使用して、ベンチマークを取得しました。また、データサイズは1GBと32GBの2種類を取得しました。

リードに関しては、テストデータのサイズに関わらず安定しています。シーケンシャルリードは7,300MB/s程度となっていて、製品公称値の7,400MB/sに肉薄しています。
ライトに関しては、キャッシュの効き具合によって変動するようです。NANDはライト性能が悪いので、これを隠蔽するため、多くのSSDはライトキャッシュを搭載しています。
テストデータサイズが1GBの場合は、ライトキャッシュに十分収まるため、製品公称値以上のパフォーマンスが出ています。しかしテストデータが32GBになると、キャッシュを使い切ってしまうようで、キャッシュ枯渇後はパフォーマンスが悪化します。それでも平均6,000MB/sを超えているので、必要十分以上の性能といえると思います。

Crucial P5のベンチマークはスクリーンショットが残っていないのですが、シーケンシャルリードは3,200MB/s程度でした。かなり使い込んでいたSSDでしたが、こちらも公称値の3,400MB/sに近い値をただき出していて、十分なパフォーマンスが出ていたと思います。

Crucial P5からLexar NM790に換装したことで、シーケンシャルリード性能は2倍以上になったワケですが、ゲーム起動の時間が半分になるわけではなく、体感的には「少し短くなったかな?」と感じる程度です。使用するアプリケーションによっては、劇的に体感差が出るとは思いますが、期待しすぎると肩透かしを食らうかもですね。PCの実使用においては、シーケンシャルよりもランダムが効く傾向が強いので、実はCrucial P5が善戦していた可能性もあります。

【番外編】Lexar NM710のレビュー

番外編として、Core i5-10400Fで運用中の嫁機に、Gen4×4のSSDを投入した結果をレポートします。

実はSSDを換装したかったのは嫁機の方です。嫁機のCドライブの空き容量が30GB程度となり、新しいゲームを入れることが困難になっていたため、1TBのSSDに換装したかったのです。
Core i5-10400FはPCIe Gen3に対応します。PCIe Gen3×4のSSDは概ね3,500MB/sあたりが限界といわれているので、Gen4対応のSSDの中でもミドルスペックのもので十分対応可能です。そのため今回はLexar NM710の1TBを購入しました。Lexar NM710のスペックは次の通りです。

シーケンシャルリード:5,000MB/s
シーケンシャルライト:4,500MB/s

上記の通りPCIe Gen4対応SSDとしては平凡なスペックですが、その分安価ですし、PCIe Gen3対応のM/Bに組み込むには必要以上のスペックです。仮にCPUを第11世代に換装した場合には、Gen4対応になるので、SSDの速さも生きてくるでしょう。

PCIe Gen3のマシンにGen4のSSDを入れたらどうなる?

まずは、Crucial P5のベンチマークから。リード性能は2,800MB/sしか出ておらず、Crucial P5の性能が殆ど出ていない状態でした。またライト性能は、キャッシュ切れの影響が大きくなっているようでした。

対して、次はLexar NM710に換装後のベンチマークです。
リードが3,400MB/sを超えていて、PCIe Gen3×4の性能を限界まで引き出せていると考えられます。また、ライト時に、キャッシュが切れた際のパフォーマンスの劣化が緩やかな点も、Ryzenでの結果と同様です。

意外だったのがランダム4Kの値ですね。Crucial P5の方がよい値が出ていました。実際にストレージへのアクセスはランダムの方が多いはずなので、Ryzenで体感差がそこまで大きくならないのは、ランダムアクセス性能が大差ないからでは・・・という気もします。

SSDのコピー(複製、マイグレーション、クローニング)について

今回、SSDを換装したものの、中のデータはコピー(クローニング)して、従来の環境を引き継いでいます。データのコピーには、Crucial製品にバンドルされる、Acronis True Image for Crucialを使用しました。移行前のSSDがCrucial製だったので使用することが出来ました。

Acronis True Imageの他にもマイグレーションツールは沢山あるので、どのツールでコピーしても構いませんが、コピー後は一発で起動することは無いはずです。新しいSSDから起動して、何度かシステムの修復をかけると、そのうち起動するようになります。



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