IRC Formula Pro RBCC(2021)に替えたのでインプレ

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 2020年にリニューアルしたIRC Formula Pro RBCCに、自車のタイヤを入れ替えてみました。私はリニューアル前のFormula Pro RBCCも使用していたことがあるので、当時の印象を振り返りながら新しいFormulra Pro RBCCのインプレッションをお届けします。

新しいFormula Pro Tubeless

 IRC Formula Proは2020年にリニューアルして現在は第5世代だそうです。初代は2007年に登場し次第にバリエーション(世代)を増やし、先代ではコンパウンドの原材料に米ぬかをブレンドした「RBCC」を採用しました。私はその先代に当たる「IRC Formula Pro Tubeless RBCC」を2017年から2年ほど使用していました。

 2020年にリニューアルした第5世代ではオールラウンドの「RBCC」、耐パンク性が高い「X-GUARD」、軽量モデルの「S-LIGHT」の3モデルを展開しています。コンパウンドとしての「RBCC」は3モデル全てに採用しているそうで、「RBCC」モデルだけが「RBCC」採用ってワケではない、ちょっとヤヤコシイことになっています。

 RBCCの正式名称は「RICE BRAN CERAMICS COMPOUND 2」で、米ヌカから作られる硬質多孔性炭素素材RBセラミック粒子をトレッドゴムに配合するIRCの独自技術だそうです。RBセラミック粒子によって、あらゆる路面状況でハイグリップを保ち続けるとのこと。正式名称の末尾が”2″になっていることかもわかる通りRBCCもアップデートしていて、前作と比較して次のような違いがあります。

転がり抵抗が5%、グリップレベルが15%、コンパウンド摩耗試験においての摩耗レベルも280%、耐候性(紫外線等によるひび割れなど)が230%が向上している。

IRCが5代目Formula Proを発表 全方位に進化を遂げたチューブレスタイヤシリーズ CycloWired

装着のしやすさ

 チューブレスに移行してから5年が経過し、なんだかんだでタイヤも4モデルを使用してきたので、面倒といわれるチューブレスタイヤの着脱も随分慣れました。まだ素手で嵌められるほど技術は会得していないですが、ツールを使えば難なく装着することは出来ます。

 前作の Formula Pro RBCC は癒着防止の為か白い粉がついていて、取り付け時にモロモロと粉が出てしまいかなり鬱陶しい思いをしたのですが、今作の Formula Pro RBCCは粉は付着しておらず何も気にせず取り付けることが出来ました。

シーラント不要のチューブレス

 最近まで使用していたSCHWALBE PRO ONEはチューブレスイージー仕様だったため、シーラントが必須でした。シーラントを使用すると異物によるパンクを回避できる安心感はありますが、定期的なメンテナンスが必要なことがデメリットでもあります。シーラントは注入すると少しずつ乾いてしまうので、半年くらいでメンテナンス(タイヤを外して古いシーラントを洗い流す)する必要があり少々面倒です。

 Formula Pro RBCCおよびX-GUARDはチューブレス仕様のためシーラントは不要です。そのため面倒なシーラントの入れ直しの必要がないことがメリットです。S-LIGHTは軽量化のためエア保持層を省いているため、シーラントが必要なチューブレスイージー仕様です。

 私の場合はしばらくシーラントなしで運用してみて、シーラントを使用しない場合のエアの減り具合を確認したいと考えています。エアの減りが早ければシーラントを注入し、1~2週間くらいエアが持つようなら、シーラントなし運用にしようかと思います。ただし、過去に何度かシーラントに助けられている経験もありますし、シーラントは入れておきたいと思っています。

インプレッション

 人の感覚のインプレッションなので、直前に乗っていた寿命を終えたSCHWALBE PRO ONEと比較している可能性があることをご了承ください。「インプレッション」と呼ばれる記事は、書いた人の主観によって語られるものであり、ほかの人には異なった印象になります。機械的に測定した数値が出せないため、すべては私の主観で書いています。

 前作を使っていた際は700×28Cサイズでしたが、今回は700×25Cを採用しました。Formula Pro RBCC 700×25Cの指定空気圧は600-800kPaなので、私はフロント650kPa、リア750kPaで設定しました。フロントの空気圧は少し低めにして手首への負担を和らげ、リアは体重が乗るためフロントよりも高めにするセッティングです。リアに体重が乗ると書くと”前傾姿勢が~”とか言われそうですが、ホビーライダーに姿勢もへったくれもありません。長時間乗っても疲れにくく、正しくバイクコントロールが出来るセッティングが一番です。

 前置きが長くなりましたがインプレッションです。

 RBCCのリニューアルによって転がり抵抗は5%低減しているとのことで、前作よりも漕ぎ味が軽くどんどん前に進む印象があります。ただし、これは前作は28C今作は25Cをチョイスしていることが要因かもしれません。グリップ感に関してはダウンヒルで攻めるような走りはしないので良く分かりませんが、激坂の上りではシッカリ路面に食いついて前に進む感覚があるので、グリップレベルは向上していると感じました。

 乗り心地に関しては路面の凹凸を吸収してくれるようなイメージで、前作よりも良くなっていると感じました。この感覚がグリップレベルが上がったと感じる要因かもしれません。

 ロードバイクのタイヤのレビュー記事を読んでみると「滑り出しがわかりやすい」という記述をよく見かけます。ロードバイクでタイヤが滑り出すとは、どの様な走行状況にある時でしょうか。閉鎖された道路でのレースでは起こりえると思いますが、少なくとも公道を安全な速度で走る限り、そのような状況にはならないと思います。峠道の下りならそんな状況はあり得ますが、見えないコーナーの先に想定外の事象が待っていたら・・・と考えると、グリップレベルの限界を引き出すような状況まで行けないと思います。
 タイヤが持っているグリップ力を最大限に引き出すには、ブレーキコントロールによってタイヤに適切な荷重をかけてコーナーを曲がる必要があります。適切な荷重を掛けて最もタイヤが良い仕事ができるのが「タイヤが滑り出す」領域なのです。レビューに「タイヤの滑り出し」を書いている人がそのレベルに到達している乗り手なのか、そしてどれくらいの人がその記事を読んで理解するのか疑問です。

まとめ

 2020年に新しくなったIRC Formula Pro RBCCに履き替えて、その印象を書いてみました。特にデメリットとなる様な点はなく、海外メーカーのチューブレスと比較して値段もお手頃です。今まで以下の5種類のタイヤを使ってきましたが、新しい Formula Pro RBCCはリピ買いしたいと思うタイヤです。

今まで使ったタイヤたち
HUTCHINSON Atom 700×23C
IRC Formula Pro Tubeless RBCC 700×28C(第4世代)
Panaracer RACE EVO4 TLC 700×28C
SCHWALBE PRO ONE 700×28C
SCHWALBE PRO ONE 700×25C

コメント

  1. 匿名 より:

    MAVICの技術者はビデオで、古いシーラントは洗い流す必要はない、と言ってますが?

    • 充電完了 より:

      コメントありがとうございます。そうなんですね。自分の自転車だから好きなようにすればよいと思いますよ。

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