2021年3月30日にデスクトップ向け第11世代Coreがリリースされました。第10世代Coreシリーズは、AMD Zen3 Ryzenシリーズにシングルスレッドで負けていましたが、第11世代Coreシリーズでは逆転することに成功しました。しかしシングルスレッド性能が向上したため、従来よりコア数が削減されています。この記事では、2020年に第4世代Core i5搭載PCを使い始めた筆者が、2021年に第11世代に乗り換えるかどうか考察します。
第11世代Coreの仕様
2021年3月末現在でリリースされている主な第11世代Coreシリーズの仕様は以下の通り。K付はオーバークロック可能なモデF付は内蔵GPUレス、小電力仕様のTは省略。価格は某PCショップ通販サイトの大まかな販売価格を記載しました。
Processor | BaseClock | Turbo Boost 2.0 | Turbo Boost Max 3.0 | Core | Thread | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|
i9-11900K | 3.5GHz | 5.1GHz | 5.2GHz | 8 | 16 | 78,000 |
i9-11900KF | 3.5GHz | 5.1GHz | 5.2GHz | 8 | 16 | 75,000 |
i9-11900 | 2.5GHz | 5GHz | 5.1GHz | 8 | 16 | 64,000 |
i9-11900F | 2.5GHz | 5GHz | 5.1GHz | 8 | 16 | 62,000 |
i7-11700K | 3.6GHz | 4.9GHz | 5GHz | 8 | 16 | 59,000 |
i7-11700KF | 3.6GHz | 4.9GHz | 5GHz | 8 | 16 | 57,000 |
i7-11700 | 2.5GHz | 4.8GHz | 4.9GHz | 8 | 16 | 48,000 |
i7-11700F | 2.5GHz | 4.8GHz | 4.9GHz | 8 | 16 | 44,000 |
i5-11600K | 3.9GHz | 4.9GHz | – | 6 | 12 | 38,000 |
i5-11600KF | 3.9GHz | 4.9GHz | – | 6 | 12 | 35,000 |
i5-11600 | 2.8GHz | 4.8GHz | – | 6 | 12 | 32,000 |
i5-11500 | 2.7GHz | 4.6GHz | – | 6 | 12 | 29,000 |
i5-11400 | 2.6GHz | 4.5GHz | – | 6 | 12 | 26,000 |
i5-11400F | 2.6GHz | 4.5GHz | – | 6 | 12 | 23,000 |
第10世代との比較
同じモデルナンバーで比較した場合、ベースクロックとブーストクロックはほぼ変わらず。CPUのアーキテクチャが刷新されたため、1コア当たりの性能は10~20%程度向上している様です。そのため、コア数は、i9では従来から2コア削減、i7とi5は従来と変わりません。
Processor | BaseClock | Turbo Boost Max 3.0 | Core | Thread | 価格 |
i9-11900K | 3.5GHz | 5.2GHz | 8 | 16 | 78,000 |
i9-10900K | 3.7GHz | 5.2GHz | 10 | 20 | 55,000 |
i7-11700K | 3.6GHz | 5GHz | 8 | 16 | 59,000 |
i7-10700K | 3.8GHz | 5.1GHz | 8 | 16 | 40,000 |
i5-11600K | 3.9GHz | 4.9GHz | 6 | 12 | 38,000 |
i5-10600K | 4.1GHz | 4.8GHz | 6 | 12 | 28,000 |
i5-11400F | 2.6GHz | 4.5GHz | 6 | 12 | 23,000 |
i5-10400F | 2.9GHz | 4.3GHz | 6 | 12 | 16,000 |
ざっとレビューサイトでのベンチマークを見た感じ、シングルコア性能が10~20%程度改善している模様です。コア数が20%削減されたCore i9はシングルコア性能の向上と、コア数の削減で性能向上分が相殺され、マルチコア性能では世代間の性能がほぼ同等となります。そう考えると、第11世代i9の割高感がハンパないですね。(マニア向けなのでコストはあまり関係ない)
第10世代と第11世代でコア数が変わらないi7やi5は、シングル性能の向上が純粋にマルチコア性能の向上に結び付いています。しかし第10世代の方が30%程度安い傾向があり、割安感があります。特にi5-10400Fが1万円台で買えるのは超絶魅力的です。
消費電力は、第10世代と第11世代は同じ14nmのプロセスルールが採用されているため、拮抗している状態の様です。
Haswell世代からRocket Lake-Sに乗り換えるか?
私の結論としては2つです。
- コスト面からは第10世代推し
- 同じ世代で一つ上のモデルナンバーを選択するかどうか迷っている場合は、同じモデルナンバーの11世代を選ぶ
もうひとつのオプションとしては、新チップセットのマザーボードと第10世代を組み合わせてしばらく運用して、第11世代の価格が下がってきた段階でCPUだけ換装する、ですね。そう考えるとスタート時には11400Fを投入して、値段がこなれた頃にi7あたりにアップグレードするのもアリかもです。
メモリコントローラーの動作クロックがモード(gear1とgear2)によって異なるそうです。DDR4-3200を組み合わせるより、DDR4-2933をフルスピードで使った方がパフォーマンスよさげですね。検証してないから知らんけど。
プロセスルールが変更される次世代CPUで性能向上とコア数の増加が期待できますが、14nmプロセスルールで製造される第11世代は様子見かなーと思います。と言いながらCore i5-11600Kが良さげに見えるなw
結局のところ第4世代から移行するかは結論が出ないです。お金があれば新しいのが欲しいという欲求は不変です。
コメント
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