360mm簡易水冷を買ったらケースに入らなかったハナシと160mmファンを追加したハナシ

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 ENERMAXの360mmの簡易水冷キット「LIQMAX III ARGB White」を買ってみたのですが、MicroATXのケースに入らず、仕方なくATX用ケースを買って組みなおしました。その際にやむなく買ったCorsair 4000Dというケースが、安価にもかかわらず造りが良く、とても満足度の高いものでした。そして、そして今回のメインである360mm水冷は良く冷えるゼってことで、その性能をレポートします。

360mm水冷キットを買ったけど、ケースに入らなかった

 2021年暮れにCore i5 10400Fの自作PCを2台作成して、私と嫁のそれぞれの専用PCとして使用していました。初期構成では、2機ともIntel純正のCPUファンを採用していました。
 私のPCは、Geforce RTX 3060搭載のグラフィックボードを採用したため、排熱が追い付かない状態だったので、2022年4月ごろに240mm水冷を投入して排熱の問題を解決しました。

 嫁機はGeforce GTX970を採用していて、致命的な熱問題はなかったものの、純正CPUファンがフルスピードで回っている状態が高頻度で発生していました。そこで嫁機にも水冷を投入しようと思い、ENERMAXの360mm簡易水冷キット「LIQMAX III ARGB White」(ELC-LMT360-W-ARGB)を購入しました。
 嫁機のケースは、前面に120mmファンが3基取り付けられるため、単純に360mm水冷が入ると思ってよく確認せずに購入しました。しかし、いざラジエターを取り付けようと思ったら、ラジエターの両端にある出っ張りが引っ掛かり、ケースに収まる気配が無かったので、取り付けを諦めました。

仕方がないのでケースを替える

 折角購入した水冷キットを手放すのは勿体ないですし、嫁機に使っているケースもイマイチ気に入らない物だったので、思い切ってケースを交換することにしました。選んだのはコルセアの4000Dというケースです。ATX用のケースで、前面に360mmラジエーターを搭載できることは確認済みです。
 前面が穴あきパネルの、4000D エアフローというモデルもあるのですが、ラジエターに取り付けるファンがARGB仕様のため、ギラギラのイルミネーションが前面から見えるのが嫌です。そのため、前面が穴あきではない仕様の方を選びました。こちらは、スリット部からイルミネーションが僅かに漏れるため、おしゃれに見えます。

Corsair 4000Dの質感が良かった

 360mm水冷が入って、見た目が良いケースなら何でもよいや、と思って選んだコルセアの4000Dですが、届いた現物を確認したら造りの良さに感心しました。

 例えば天面についてるフィルター。他社製品だと、単にマグネットが付いたフィルターなのですが、4000Dの場合はタブが付いています。どうでも良いといえばそれまでですが、タブがあることでフィルターのメンテがし易く、タブの黄色がアクセントになって、オシャレ感があります。

 次はサイドパネルのネジ。ネジ部に樹脂ワッシャーが入っていて、締めこんだ際に金属同士が擦れる嫌な感じがありません。また、ガラスパネルはラッチで留まるようになっていて、万一ネジを締め忘れても容易に開かない様になっています。金属パネルなら不意に開いても問題ないですが、ガラスパネルは最悪落ちると割れてしまうので、とても親切な設計だと思いました。

 また付属のケースファンも意外と秀逸で、光らないものの静音性が高い割に風量が多く静圧も高そうです。

 4000Dの良いところは挙げればきりがないですが、このケースが1万円そこそこで買えることに感心します。私が自作を始めたころは、1万円台のケースだと、ネジ穴のズレなんて可愛いもので、バリ取りが甘くて、組みあがる頃には手が血まみれなんてこともザラにありました。今は安いものなら3,000円台からケースを買えますが、手が切れるほど雑な造りのケースは見かけなくなりましたね。

ENERMAX LIQMAX III ARGB Whiteの組み込み

 4000Dの場合360mmのラジエターはケース前面に取り付けます。私としては、CPUの熱を奪った空気をPCケース内に入れるのは嫌なので、ラジエターは天面に取り付けて、CPUの熱をケース外に排出したいです。しかし、残念ながら4000Dは天面に360mmのラジエターを取り付けることは出来ません。簡易水冷メーカーやケースファンメーカーの作例では、前面排気で組んでいるものを時々見かけますが、フロントから熱風が噴き出してくるのはもっと嫌です。今回は前面ラジエター配置、前面吸気として、ごく普通の構成で組みます。

 水冷ブロックを取り付ける前に、M/B裏にサポート治具を取り付けますが、この時ちょっと問題が発生しました。M/Bをケースに取り付けた状態で治具を付けようとしましたが、治具がケースに引っ掛かって(赤枠部分)、取り付けることが出来ませんでした。仕方なく、一度M/Bを取り外して治具を取り付けました。

 ちなみに「治具」は”じぐ”と読み、英語のjigに由来します。”ちぐ”ではないのでご注意を。更にちなみにですが、このような部品は治具ではなく、取付金具と書いた方が適当かもしれません。

 裏面配線もそこそこ頑張ったので、組み立てに4時間くらいかかってしまいましたが、何とか完成しました。裏面配線を頑張っても、ATXケースにMicroATXのマザーを入れているので、スッカスカで見栄えは悪いです。将来的に組み替える際には、ATXマザーとスリーブ配線、さらにARGB仕様のファンに替えたいですね。

冷却性能をチェック

 CPUに負荷をかけるため、CineBench R23でマルチコアのベンチマークを走らせます。また、CPUとSYSファンはすべて全開(100%)で駆動する状態にして、CPUの温度を計測しました。従来構成と今回構成それぞれの、CPU最高温度は以下の通りでした。

 従来構成:88℃
 今回構成:55℃

それぞれの構成は以下の通りです。
 従来構成:Intel純正CPUファン+ケースファン2個
 今回構成:360mm簡易水冷+ケースファン2個

冷却性能がかなり向上することが出来ました。

Ryzen7 5800XとRadeon RX 6750XTに組み換え

 2022年10月に、AMD Ryzen7 5800X と Radeon RX 6750XTに構成変更しました。Zen4系とRadeon7000系が登場する直前ですが、現行パーツでミドルハイなPCを作りました。新製品は円安を反映して値上げするはずで、旧世代製品は大して値下がりしないか、むしろ値上がりする可能性すらあると予想したためです。出来上がったPCはこんな感じ。

 さすが360mm簡易水冷だけあって、Ryzen7 5800Xの爆熱でも余裕で冷やせます。しかし前面吸気の使用のため、ラジエターから発散した熱をケースに取り込んでしまう構造です。そのため、Radeon RX6750XTの発熱も相まって、ケース内はそこそこ温度が高くなってしまいます。

 とりあえず、Corsair 4000Dに付属していた120mmケースファン2基で排気していました。しかし、負荷の高いゲームをしていると、ガラスパネルが良い湯加減くらいに温まるので、PC内部にはかなり熱が溜まってしまう様です。

140mmケースファンを追加する

 Corsair 4000Dは、天面に120mmまたは140mmのファンを2基搭載可能です。風量を稼ぎたいので140mmファンを搭載しようと思います。そして選んだのはSilver StoneのSF160Bというファン。

 140mmファンのネジ穴を使って、160mmのファンを取り付けられるという、ちょっとスパイシーな仕様のファンです。通常の140mmファンよりも、片側10mm程度大きいだけなので、Corsair 4000Dにも付けられるんじゃね?と思って、サイズを測らずに発注しました。届いた実物を見たら意外と大きかったので、360mm水冷の時の二の舞になるのでは・・・という思いが過りました。下の写真は120mmファンとの比較です。

取り付けはタイラップで・・・

 悪い予感が的中してしまい、ギリギリ収まらずネジで固定することが出来ない状態でした。ただ、ケース自体は天面に入るので、タイラップを使用して固定することにしました。

広い天面に小さいファンが1基だけの状態から、160mmファン2基がけに変更。かなり冷えそうです。

天面を埋めつくす、デカいファン2基に変わりました!!これは冷えるわ。

何とか取り付けは出来たものの、マザーボード(VRMのヒートシンク)や、ラジエターとのクリアランスがギリギリです。パーツの組み合わせによっては干渉するものもありそうですね。

VRMヒートシンクとはギリギリの隙間があります
ラジエターに接続する配管部分に接触。ファンの微振動で接触部分にダメージがいかなければ良いのですが・・・
ネジ穴は合わないので、タイラップで固定しました

ついでに背面の120mmファンもSilver StoneのARGBファンに変更しました。

 これでケース内部の熱だまりが解消して、ARGBのひかり具合も良い感じに仕上がりました。


まとめ

 ラジエターに直接ケース外からの空気が当たることで、CPUとしてはかなり冷えるようになりました。また、従来は吸気と排気で1基ずつのファンでしたが、今回構成ではファンは5基に増えていて、内訳はラジエターについているファン3基で吸気、排気は2基となります。単純にファンが3基増えたことにより、空気の流れが良くなり、PC全体の冷却が良くなったものと思います。

 かなり良く冷えるようになったので、ファンの駆動率を引き下げるように設定しました。CPU温度が40℃までは20%、60℃で40%、75℃で100%に到達するように調整しました。

 360mm簡易水冷を導入したことで、CPUの最高温度は88℃から55℃へ、33℃も改善することが出来ました。また、CPUファンがガンガン回ってしまい、動作音がうるさい問題に対して、満足のいく結果となりました。ケースを交換することにはなりましたが、初めから360mm水冷対応ケースであれば、追加コストも思ったより高くはないので、コストパフォーマンスは良いと思います。

 Core i5-10400Fの設計上の許容温度は100℃であるため、従来構成の88℃でも問題ありません。CINEBENCHを回した際にも、サーマルスロットリングは発生しないので、パフォーマンスの問題はありません。
 また、CPU温度が高いと寿命に影響するのではないか?という意見もありますが、Intelが規定する許容温度内であれば、品質上の問題は無いと思います。DIYであれば組み替え頻度の方が、CPUの寿命よりも早いと思うので、温度と寿命を天秤にかける意味は無いはずです。

 そして、前回導入した240mm水冷の問題点にも気づきました。240mm水冷に付属していたファンと、追加したケースファンの性能がイマイチなため、ファンが頑張って回っても、意外と空気が流れず、思ったほど冷えていない様です。近いうちに240mm仕様の方はファンを替えてみたいと思います。

今回購入したパーツ

ENERMAX LIQMAX III ARGB White(ELC-LMT360-W-ARGB)


Corsair 4000D
 

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